確実に押さえないと失敗する!WEB広告の失敗点5選+活用法
あなたのWEB広告は成果が出ていますか? 「成果が感じられない」とお悩みでは?
実は多くの方が、同じ悩みを抱えています。
プロ野球の故 野村克也監督が「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」と言ったように、成果が出ないのは理由があります。そこで今回は、WEB広告で成果がでない理由を『5つ』ご紹介します。
もし、あなたがWEB広告の成果が出ないとお悩みなら、ぜひご覧ください!
一つ一つは基礎的なことでも、チェックしてみると意外と出来ていないことがあります。
WEB広告の運用は慣れているという方も、おさらいとしてぜひチェックしてみてください。
みんなみんな、毎日いろんな情報を見ていて、目に留まったこともアッという間に流れてしまいますよね。そう、あなたの広告も…
失敗点1:誰に売るべきかを把握していない
あなたが配信しているWEB広告は、広く多くの人に売りこみたいからと18歳から65歳までの全年齢層男女をターゲットにして同じデザインのバナーを配信していませんか?もし、あなたのWEB広告がそのような配信をしていた場合、20代男性と40代主婦と60代シニア夫婦それぞれにとって、そのバナーのコピーやデザインが訴求力があるのか、立ち止まって考えてみるべきでしょう。WEB広告は、特定のターゲットに絞り込んで配信でき、その商品やサービスに興味を持ちそうな人の目に留まりやすい広告を配信できるのが特徴です。
一般的に、マス媒体広告(テレビ、ラジオ、新聞など)は、多くの人に広告を配信できますが、特定のターゲット層に絞り込むのが難しい点があります。一方で、WEB広告はユーザーの行動や興味、関心、属性情報に基づいて細かい絞り込みが可能です。また、マス媒体広告はコストが高いことが多く、効果の測定も難しい場合が多いのに対し、WEB広告はコスト効率が良く、リアルタイムでの効果測定が可能なのも特徴です。さらに、WEB広告はユーザーに応じて広告内容を柔軟に調整できるため、現代のマーケティングにおいて非常に効果的な手段となっています。
なお、(言うまでもないことでしょうが)だから既存の媒体は必要ないかといえば、そうではありません。キャンペーンの目的に応じて複合的に使い分ける必要があります。そして、WEB広告が最も得意とする武器はターゲティング(絞り込み)です。WEB広告でもマス媒体と同じく幅広い層に認知を拡大することもできますが、それにはマス媒体と同じくかなりの予算がかかります。ターゲティングをすることで、費用を抑えて、費用対効果の高い広告を届けることができるのです。
ターゲティングをするには、製品・サービスを利用者目線で理解していないといけません。ここでよくあるミスは、プロダクトアウトの意識が強すぎて、「この製品は20‐40代女性に売れるはず!」と思い込んでしまうことです。様々なセールスデータなどから冷静に分析しないといけません。
利用者属性が把握できているものについては、それに合わせて配信しますが、もし、利用者属性が明確でない場合は、少し広めに展開し、成果を見ながら絞り込んでいくのも有効です。また、BtoB企業の製品・サービスは、ターゲティング設定が難しい場合もあります。そのような際は、媒体選定などの工夫が重要となってきます。
失敗点2:何をもって成功とするのか決めていない
WEB広告はターゲティングできるだけでなく、成果や一人当たりの獲得費用もすべて数字化できるのが強みです。テレビCMで月に100万円使った成果を数字化するのは大変ですが、WEB広告ならば簡単です。WEB広告から何人がホームページを閲覧し、何人が成約したか、すべてデータとして取得できます。逆に言えば、WEB広告を配信する前に、そのWEB広告は何を目標とするのか、そして、何の数字をもって目標達成を評価するかを考えなければなりません。
仮に月100万円でWEB広告を制作・配信し、ホームページからの契約または購入を増やすことを目標に設定した場合を仮定してみましょう。その場合、以下のように目標数値を設定できます。
- 獲得単価(1件の成約にかけられる予算)が1万円の場合 = 100件の成約獲得が目標
- (同上)1,000円の場合 = 1,000件の成約獲得が目標
獲得単価そのものについては、製品・サービスの単価/粗利率や、ビジネスモデル(買い切りか、定期購入か、また平均リピート率や平均契約期間など)で変わってきます。今までのセールスなどからの知見を基に、獲得単価の算出が必要です。
そして、獲得単価とWEB広告予算を適切に設定し、運用データが蓄積されたら、目標達成できているかの評価が必要です。一般的に、WEB広告をクリックしてくれた人が購入などをしてくれる成約率(コンバーション率)は、2~5%と言われています。成約率5%の場合、上記1なら2,000クリック、2なら20,000クリック必要で、成約率2%の場合、それぞれ5,000クリック、50,000クリック必要になります。
ただ、WEB広告のクリック単価を考えると、50,000クリックが必要な状態では、100万円の広告費ではそもそも目標とするクリック数を達成できない可能性があります。(制作・運用費用も含めた)平均クリック単価を20円に抑える必要があるということですから。獲得単価上限が1,000円の場合、1万クリック獲得してコンバーション率10%以上を目指すような設定になります。長期に改善を続け、非常に効率的に運用すれば達成できるかもしれませんが、現実的には、リピート率を高めたり、平均購入個数を増やしたり、サービス利用期間を延ばすなど、ビジネスモデルや売り方の見直しすることで、そもそもの獲得単価上限を上げる方法を模索する必要もあるでしょう。
さて、獲得単価や予算の設定を適切に行ったうえで広告を運用しているのに成果が出ていない場合、まず見るべきはクリックの部分とコンバーションの部分です。
- クリック数を十分に獲得できていない場合:
配信媒体の選定、予算の割り振り、ターゲティングの設定、バナーデザイン等に問題がある - 十分にクリックを獲得できているのに成約率が低い場合:
バナークリック後のページでのデザイン、情報提供、商品購入などのプロセスに問題がある
ということになります。ただ、やみくもにクリック数を増やしても、それが購買などのコンバーションにつながらなければ意味がありません。最も意識すべき改善ポイントは、興味を持ってきてくれたお客様を逃さず購買などにつなげること、つまり、成約率を高めることです。
ちなみに、広告の目標が成約獲得ではなく、ブランド認知・ブランド価値向上などという場合もあるでしょう。その場合は、広告をクリックしてホームページに来訪した人の滞在時間や平均閲覧ページ数、広告そのものの配信回数(動画広告の再生回数や視聴時間など)が効果測定となりえます。
失敗点3:使う媒体を正しく選べていない
WEB広告の成果が出ない理由の要因として、そもそも、目的とするターゲットに合った媒体を使用していないケースがあります。狙うべき相手も決まっていて、予算もちゃんと確保し、目標も決まっていても、使うべき媒体を間違えると、戦うべき戦場を間違えてしまうようなもので、失敗に陥ります。
まずは、おさらいとして、それぞれのWEB広告媒体の特徴を確認しましょう。
Google検索広告(リスティング広告)
Google検索結果の上部などに表示されるテキスト広告です。特定のキーワードで検索する人は、その分野に強い興味関心があることが多く、高い購買意欲を持つユーザーに直接リーチできるのが特徴です。日本では幅広い年齢層がGoogleを利用していますが、特に購買意欲が高いのは中年層以上と言われています。
GDN(Googleディスプレイ広告)
Googleの広告ネットワークに参加している様々なウェブサイトにバナー広告などを表示できます。年齢性別や興味関心の属性や、以前のウェブサイト閲覧履歴などで絞り込んでバナー広告を配信できます。若い世代から中年層まで幅広く届けられますが、特に20代〜40代のインターネットユーザーにリーチしやすい傾向があります。
YDN(Yahoo!ディスプレイ広告)・Yahoo!リスティング広告
ポータルサイト「Yahoo!」にも、独自の広告サービスがあります。Googleと同様に、Yahoo!の検索結果にテキスト広告を配信するリスティング広告と、Yahoo!ニュースなどのYahoo!各サイトや、広告ネットワークに参加している様々なウェブサイトにバナー広告を表示できるディスプレイ広告があります。
Yahoo!も年齢性別や興味関心の属性や、以前のウェブサイト閲覧履歴などで絞り込んでバナー広告を配信できます。なお、Yahoo!は、30~64歳男女、特に主婦など女性層の利用者が多い媒体となっています。
SNS広告
Instagram、Facebook、X(旧Twitter)、LINEのタイムラインなどにバナー広告や動画広告などを配信できます。それぞれのSNSによって、利用者層や有効な広告手法などが違います。なお、SNS広告は、WEBサイト等へのリンククリックを促す施策と、SNS上のフォロワーを増やす施策があり、目的に応じて使い分ける必要があります。
- Instagram広告:日本では若いユーザー(10代~30代前半)がメインで、画像が中心のプラットフォームのため、ビジュアルに訴える画像・動画広告が効果的です。特に、ライフスタイルやファッション、食などの領域で反応が出やすいです。
- Facebook広告:ユーザーのデモグラフィック情報や興味関心に基づく絞り込みができます。また、シェアやいいねを通じての口コミ効果も期待できます。日本では30~50代のビジネス利用者が多い傾向があります。
- X(旧Twtter)広告:アイキャッチ画像、訴求力のある短文とハッシュタグを活用した、即時性が高めな広告媒体です。日本では10代から30代にかけての若い世代が多く、リアルタイムの情報共有や意見表明に活用されます。
- LINE広告:個人間のコミュニケーションに溶け込む形で効果的にリーチ可能です。10代から40代まで幅広いですが、特に若い世代のユーザーがアクティブです。日常的なコミュニケーションの一環として受け入れやすい広告形態です。
- TikTok広告:ショート動画をメインとしたプラットフォームで、利用者数が増えています。また、10代などの若い世代の利用が特に活発なSNSです。
動画広告
Youtubeや各SNSなどに動画を広告として配信することもできます。テキストやバナーと違って、動画を使うことで、より多くの情報を伝えたり、しっかりとブランドイメージを訴求することができる利点があります。しかし動画広告、特にYoutubeは、動画からのリンククリックがほとんどない媒体です。TVCMのようなマスメディア媒体と似た特性があり、ブランディングやPRなどに向いた媒体と言えます。
リマーケティング(リターゲティング)広告
広告などから御社ホームページなどに来た人に、後追いでさらにバナーを配信する仕組みです。どこかのWEBサイトを見た後、そのサイトのバナーをあちこちで見かける、という経験はよくされているかと思います。それが、このリマーケティング広告です。御社商品やサービスなどに興味がある人にフォローアップできるのが特徴です。
目標・購買ストーリーに応じた媒体選定が必要
WEB広告も種類が多く、どの媒体を選定すべきか、どの媒体にどのくらい予算をかければ成果が出るのかなど、いろいろ悩みは尽きないかもしれません。
一般的には、クリック数を獲得したい場合はGDNおよびYDNを使うのが良く、成約率を高めたい場合はリスティング広告・リマーケティング広告が重要です。SNS広告はより細かいターゲティングができるため、潜在顧客の掘り起こしやロイヤルカスタマーの醸成にも向いています。動画広告はマス的に使用するのに向いています。ですが、だからといって、どれか一つに予算を集中するのは危険です。キャンペーン全体の中で、WEB広告を使って顧客とどのように接点を作り購入につなげていくか、という観点から、予算割と媒体を選定していく必要があります。
失敗点4:デザイン・コピーに訴求力がない
商品を売るには、売るものの内容も大事ですが、売り方も同じくらい重要です。
例えばセールなら「最大●●%OFF!」を目立たせたり、「●●/●●まで!」のように期間を明示して訴求したり、「今すぐ購入!」のような行動を促す文言も広告バナーに入れ込むのが有効でしょう。商品やサービスの購入を促すならば、ターゲットに合わせてセールスコピーを作成し、効果的なデザインで配置する必要があります。また、配信する広告プラットフォームによっても、効果的な広告文や広告バナーデザインが変わってくる場合もあります。
さらに、リンククリックをした先にあるページも重要です。一般的に、広告バナー・広告文と、リンク先の最初のデザイン・コピーの内容が異なっていた場合、ページを読まずにブラウザを閉じる人の割合が増加します。そして、せっかくページに来てくれたお客様が手ぶらで帰らないように、そのページの中で、その商品・サービス・ブランドの良さを様々な切り口から紹介して、購入ボタンまで誘導しなくてはなりません。例えば、「職人が作った逸品」とWEB広告でうたいながら、飛び先のページでその職人のすばらしさを伝えていなければ、購買にはつながらないでしょう。
また、何ページもあちこちクリックして読んでくれるお客様は珍しいため、WEB広告をする際には、売るものに最適化したランディングページと呼ばれるとび先ページを用意するのが有効な場合が多いです。
加えて、リスティング広告で取りこぼさず来客してもらったり、リマーケティング広告機能を使用し、ウェブサイトを見てくれた、つまり、興味関心がある人だけに向けた特別の広告を見せてフォローアップすることも有効でしょう。
失敗点5:広告を育成していない
最初の方でご紹介したように、WEB広告の最大の特徴の一つは、「データが取れる」ことにあります。どんな年代・性別の人が一番広告バナーをクリックし、その中でどんな属性の人が一番購入してくれたか。また、その逆に、一番反応が無かった属性は誰か。測定ポイントをうまく設計すれば、とび先ページ(ランディングページ)をどこまで読んで離脱した人が多かったかや、申込フォームのどこで離脱したかなどまでわかります。
それらの情報を基に、媒体の見直しや予算割り振りの見直し、広告文やデザインの見直しなどをすることで、広告効果を改善し、目標達成を目指して成長していく。それがWEB広告を成功に導く重要なステップです。WEB広告はやって終わりではなく、育成していくものです。WEB広告は短期ではなく長期で運用するのに向いているのも、このように改善ができるからです。また、長期にわたって広告運用を行うことで、ターゲットへの配信精度があがり、さらにパフォーマンスが高まる効果が期待できます。
WEB広告を適切に育てて、狙ったターゲットに手に取ってもらいましょう!
WEB広告をさらに活用するポイント
いままで、WEB広告の成果が出ない理由として「媒体選定を間違えている」「売り出し方を間違えている」「配信後の見直しをしていない」などの理由を紹介しました。『そんなことは全部わかっている。しかし、成果が出ない』という場合、以下のことを試すのも有効かもしれません。
ABテスト等で売り方をブラッシュアップする
WEB広告の強力な武器は「ターゲットに応じて表示する広告を変えられる」ことです。例えば、大学生・20代前半の男性層と40代の主婦層では、同じ商品でも売り出し方が違ってくることはあるでしょう。おなじ主婦層でも、使用シチュエーションを変えて提案したい場合もあるでしょう。そのようなときに、WEB広告なら、20代男性向け、40代主婦向けと切り分けて広告を配信できます。40代主婦にシチュエーション別に提案もできます。とび先も同じWEBページではなく、それぞれに最適化されたページを指定することが可能です。
また、ABテストで、異なるバナー・広告文・とび先ページをもう一つ配信することで、「どのコピー・デザイン・売り方が効果的か」などということまでわかります。これらは、WEB広告以外ではなかなか手に入りにくい情報です。とび先ページまで新しく用意するのは難しい場合は、まずはバナーとファーストビューだけ変更して、効果があるものに合わせて飛び先ページを最適化していくという方法も可能です。
それもすでに試しましたか? ABテストでうまくいかないなら、そのAB自体が広告として適切ではない可能性があります。つまり、ターゲットや売り方をそもそも間違えているのでは?という警告サインでもあります。その場合は、まったく別な広告で、例えるならYZテストをしないといけないかもしれません。
WEB広告であたらしい需要を発見・発掘する
WEB広告は、ターゲットを絞り込んで最適な広告を配信することができますが、その最適化をしすぎるあまり、逆に潜在顧客へのアプローチを失ってしまう場合もあります。しかし、WEB広告のターゲティング機能とABテストを活用すれば、予算をコントロールしつつ、その問題の解決もできます。ABテストを応用して、同じターゲット層に、まったく別の切り口で商品を売り込むこともできますし、比較的低コストであなたが想定している主要顧客層以外のターゲットにも、それぞれに合った広告を配信できるわけです。
そのようにWEB広告を活用すれば、主要顧客層以外の層を発掘することもできるかもしれません。(これはWEB広告で見つけ出した事例ではないですが)他えば男性作業員をターゲットとしていたワークマンが、普段使いする女性層を見つけ出して掘り起こしたように。WEB広告のターゲティング機能を使用し、予算の一部をABテストに使用してターゲットと売り方を変えてみるだけで、そのような新しい需要を発見できる大きな機会となるかもしれません。
このように、WEB広告は単なる広告以上の活用が可能です。ですが、効果がでるWEB広告の設計と運用を自社だけで行うのは難しい場合も多いかと思います。弊社では、企画・クリエイティブの制作や運用まですべてサポートすることができますので、お気軽にご相談ください。
そもそも、それはWEB広告が必要?という視点も重要
(そもそもの予算・目標設定が非現実的だったり、商品の利益構造に問題があったり、商品に競争力がないなどでない限り)WEB広告を見直したり上記のすべてをしても十分な成果が出ないならば、WEB広告以外の販促と組み合わせるなど、販促計画全体の見直しが必要かもしれません。残念ながらWEB広告も万能ではなく、WEB広告単体では効きにくいシチュエーション・ターゲットはあります。
ル・プロジェは社内に150名以上のクリエイターを擁する総合広告会社として、WEB広告やWEBサイト、アプリ・システム等のWEB/DX領域課題の解決のお手伝いだけでなく、DMやチラシ、パンフレットなどの紙媒体の制作やCMなど映像の制作、それらを掲載・配布・配信する媒体の手配、サイン(看板・装飾系)やイベントなど、様々な広告分野でご協力ができます。WEB領域だけでなく全体的な販促計画の設計・運用まで一貫してご提案して行えますので、お気軽にご相談ください。