AI検索時代、企業サイトはどうやって選ばれる? いま見直したい「見つけられる情報設計」

Googleで調べものをしていると、検索結果の上部にAIがまとめた回答が表示されることがあります。また、生成AIに「自社に合うサービスを探したい」「近くで相談できる会社を知りたい」と質問する機会も、少しずつ身近になってきました。
こうした変化に伴い、「これまでのSEO対策は意味がなくなるの?」「AIに紹介してもらうための特別な対策が必要なの?」と疑問を感じている企業の広報・販促担当者も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、AI検索時代だからといって、これまでのホームページ運営の基本がなくなるわけではありません。
一方で、企業が提供している商品やサービス、得意分野、実績などがきちんと伝わるよう、情報の整理を見直す必要性は高まっています。
今回は、AI検索時代に企業サイトが意識したい「見つけられる情報設計」のポイントを、具体例を交えながらご紹介します。
検索は「キーワード」から「質問・相談」へ
これまで、インターネットで会社やサービスを探すときには、次のような短いキーワードを入力することが一般的でした。
- 「福島 ホームページ制作」
- 「郡山 イベント企画」
- 「採用サイト 制作会社」
もちろん、こうした検索がなくなるわけではありません。しかし、AIを活用した検索では、より具体的な条件を文章で伝えられるようになっています。
例えば、次のような質問です。
- 「福島県内で採用サイトの制作から社員インタビュー、写真撮影まで相談できる会社は?」
- 「郡山市で商業施設の周年イベントを企画したい。告知用のチラシやSNS運用もまとめて依頼できる会社は?」
- 「地方企業が採用活動を強化するには、ホームページと会社案内をどう見直せばいい?」
短いキーワードだけでは伝えきれなかった条件や悩みを、そのまま質問できることが大きな特徴です。
つまり、企業サイトにも「どのような悩みに、どのような方法で対応できるのか」を、以前にも増して具体的に伝えることが求められます。
「ホームページ制作を行っています」とだけ掲載しているサイトよりも、「製造業の採用課題に対し、採用サイト制作、社員インタビュー、撮影、会社案内制作まで対応しています」と説明しているサイトのほうが、提供できる価値を理解してもらいやすくなります。
これはAIだけに向けた話ではありません。サイトを訪れた人にとっても、相談先を判断するうえで役立つ情報です。
AI検索時代に、情報が伝わりにくいサイトとは?
企業サイトを見直す際、まず確認したいのは「自社では分かっていることが、外部の人にも十分伝わっているか」という点です。
次のようなホームページには、改善できる余地があります。
1.サービス内容が抽象的
「お客様に寄り添います」「幅広いニーズに対応します」「高品質なサービスをご提供します」。
こうした言葉は企業姿勢を伝えるうえで大切ですが、それだけでは、具体的に何を依頼できるのかが分かりません。
例えば、「販促支援を行っています」と書くよりも、次のように具体化したほうが、対応範囲が伝わります。
例:店舗集客に向けたチラシ制作、SNS広告、キャンペーンページ制作、店内装飾までを一貫してサポートします。
「誰に」「何を」「どこまで」提供できるかを明示することが、分かりやすい情報発信の第一歩です。
2.対応地域や得意分野が分かりにくい
地域密着型の事業では、所在地だけでなく「どの地域の顧客に対応しているか」も重要です。
例えば、福島県内の企業や自治体を主な対象にしている場合、その情報が会社概要の住所欄にしか記載されていないと、対応エリアが十分に伝わりません。
また、「製造業の採用広報」「商業施設の販促」「自治体の地域活性化」など、実績のある業種や分野を明示することも効果的です。
サイトを訪れた人が「自社の悩みを相談できそうだ」と判断しやすくなります。
3.実績が制作物の紹介だけで終わっている
制作事例に完成したデザインや写真だけを掲載しているケースは少なくありません。
もちろん、制作物のクオリティを見せることは大切です。しかし、それだけでは「なぜ制作したのか」「どのような課題を解決しようとしたのか」が伝わりません。
実績紹介では、次のような情報を整理すると、読み手の理解が深まります。
- お客様が抱えていた課題
- 企画や制作の目的
- 実施した施策
- 工夫したポイント
- 公開後の反応や得られた成果
例えば、「採用サイトを制作しました」という紹介だけではなく、「応募者に職場の雰囲気が伝わりにくいという課題に対し、社員インタビューや仕事風景の撮影を取り入れた採用サイトを制作しました」と説明することで、事例の価値が明確になります。
4.重要な情報が画像の中にしかない
サービスの特徴や料金、実績などを、画像の中だけに掲載している場合も注意が必要です。
画像はデザイン面で効果的ですが、重要な情報は本文にも文章として掲載しておくことが基本です。
例えば、「ホームページ制作・撮影・広告運用をワンストップで対応」という内容を画像だけで伝えるのではなく、ページ本文にも同じ趣旨を記載します。
文章として整理しておくことで、閲覧者にとっても、検索エンジンにとっても、内容が把握しやすくなります。
5.古い情報が放置されている
過去のキャンペーン情報、終了したサービス、古い会社案内、何年も更新されていない実績ページなどは、サイト全体の印象にも影響します。
特に、所在地、営業時間、サービス内容、問い合わせ先などの基本情報は、常に正確な状態を保つことが大切です。
更新頻度を上げること自体を目的にする必要はありません。しかし、掲載内容が現状と合っているかを定期的に点検することは欠かせません。
見つけられるために整理したい5つの情報
では、企業サイトにはどのような情報を掲載すればよいのでしょうか。
まずは、次の5つを整理することから始めてみましょう。
① 誰の、どのような課題を解決できるのか
企業サイトでは、自社のサービスを紹介する前に「どんな方のためのサービスなのか」を伝えることが重要です。
例えば、次のような課題です。
- 採用サイトを作ったものの、応募につながらない
- イベントを開催しても、十分に集客できない
- チラシを配布しているが、効果を把握できていない
- SNSを更新しているが、問い合わせが増えない
顧客が実際に抱える悩みを具体的に書くことで、自社サービスとの関係が伝わりやすくなります。
② 具体的に何を依頼できるのか
一つのサービス名だけでは、対応範囲が十分に伝わらないことがあります。
例えば、「ホームページ制作」といっても、実際の業務は多岐にわたります。
- 企画・構成の立案
- 原稿作成
- 写真撮影
- 動画制作
- デザイン
- 公開後の運用
- アクセス解析
- Web広告
- SNSとの連携
こうした内容を明示することで、「どこまで相談できる会社なのか」が分かりやすくなります。
③ 他社と何が違うのか
サービス内容が似ている企業が複数ある場合、最終的な判断材料になるのは、それぞれの強みや特徴です。
例えば、次のような違いがあります。
- 地域の顧客動向に詳しい
- 紙媒体とデジタル施策を組み合わせられる
- 社内にデザイナーやコピーライターが在籍している
- 撮影から制作、広告配信まで一括で対応できる
- 自治体や商業施設の案件に実績がある
「幅広く対応できます」という表現だけで終わらせず、その会社ならではの対応力を具体的に説明しましょう。
④ どのような実績があるのか
実績は、企業の信頼性を伝える重要な材料です。
ただし、事例を数多く並べるだけではなく、顧客の課題に対して何を提案し、どのように取り組んだのかまで説明することが大切です。
可能な範囲で、お客様の声や担当者のコメントを掲載することも有効です。
一つひとつの事例に背景や工夫を加えることで、初めてサイトを訪れた人にも、企業の専門性や考え方が伝わりやすくなります。
⑤ 誰が情報を発信しているのか
企業サイトの記事やコラムでは、どのような立場の人が情報を発信しているのかも、信頼性を判断する材料になります。
例えば、次のような情報です。
- 企画担当者やデザイナーの紹介
- 対応してきた業種や業務分野
- 記事を書いた担当者の経験
- 実際の制作現場で得られた知見
- 情報の根拠となる公的機関や公式サイトの資料
一般論を並べるだけではなく、実際の業務で感じた課題や工夫を盛り込むことで、企業独自の発信になります。
今すぐ確認したい企業サイトのチェックリスト
自社のホームページについて、次の項目を確認してみてください。
- □ どのような企業や顧客を対象にしているかが分かる
- □ 対応地域や得意業種が明記されている
- □ 提供しているサービスの内容が具体的に説明されている
- □ 依頼できる業務範囲が分かる
- □ 他社との違いや自社の強みが整理されている
- □ 実績紹介に課題や提案内容が掲載されている
- □ 顧客からよく聞かれる質問に回答している
- □ 会社概要や所在地、連絡先が正確に掲載されている
- □ 重要な情報が画像だけでなく文章でも説明されている
- □ 過去の記事やサービス情報が古いまま放置されていない
- □ 担当者や企業としての専門性が伝わる
- □ 問い合わせまでの導線が分かりやすい
すべてを一度に見直す必要はありません。
まずは、アクセスの多いページや、問い合わせにつながりやすいサービスページから整理するだけでも、改善の方向性が見えてきます。
AI検索時代も、大切なのは「人に伝わる情報」
AI検索が普及すると聞くと、「AIに選ばれるための特別な対策をしなければ」と考えるかもしれません。
しかし、Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるために、特別な仕組みや専用の対策が必須になるわけではないと説明しています。
重要なのは、これまでのSEOの基本を踏まえながら、利用者にとって役立つ情報を、正確かつ分かりやすく届けることです。
AI検索を意識するあまり、似たような記事を大量に作ったり、流行のキーワードを不自然に詰め込んだりしても、本質的な改善にはつながりません。
それよりも、自社にしかない実績、現場で培った知見、地域に根差した経験、具体的な課題解決事例を丁寧に発信することが大切です。
AIに見つけてもらいやすい情報と、人に信頼される情報は、切り離して考えるものではありません。
まずは、「自社のホームページを初めて見た人が、何を相談できる会社なのか判断できるか」という視点で見直してみてはいかがでしょうか。
ホームページの情報発信、見直してみませんか?
「自社の強みをうまく言葉にできていない」
「制作実績を掲載しているものの、問い合わせにつながらない」
「ホームページやSNSの情報発信を見直したい」
このようなお悩みがあれば、まずは現在の情報発信を整理するところから始めることが大切です。
私たちル・プロジェでは、ホームページ制作をはじめ、企画、コピーライティング、写真・動画撮影、広告運用、紙媒体の制作まで、幅広いプロモーションを一貫してサポートしています。
お客様の強みや魅力を分かりやすく整理し、必要な情報を、必要な人に届けるための発信を一緒に考えます。
企業サイトの改善や情報発信についてお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
