PROJECT STORY / 02
(公財)郡山市文化学び振興公社様企画展示展「久米正雄と世界旅行」
ワンストップだから
お互いに刺激しあい
品質と満足を
高められる。
(公財)郡山市文化学び振興公社は、郡山市の指定管理者として市内の文化施設を運営する財団です。今回は郡山ゆかりの作家たちの紹介を通じて地域文化の拠点となることを目指すこおりやま文学の森資料館で、当社が担当した企画展示展『久米正雄と世界旅行』について関係者が語りました。

Member
-
S.Tさん
2005年入社
郡山本社営業職 -
S.Mさん
2009年入社
郡山本社制作職(アートディレクター) -
O.Aさん
2019年入社
郡山本社制作職(グラフィックデザイナー)
企画展示展の総合提案。
当社の強みが生かせる仕事。

どんな案件ですか?
S.T
取引のきっかけは震災前に先輩が営業活動をしたところ、ちょうど新たな発注先を探していたということです。春と秋の2回企画展があり、特に注力していた秋の企画コンペに声をかけていただいたのがはじまりです。
S.M
そうですね。私はその頃からデザイナーとして担当していました。ポスターなどのメインビジュアルの作成はもちろん、展示室内のレイアウトや展示物、案内サインなどを通じて、企画展のテーマや世界観をいかに伝えるかをトータルで企画制作する案件です。
S.T
当社には3,600以上の取引先がありますが、企画展の展示物まで担当する機会はめずらしいですよね。
S.M
はい。紙面や映像だけではなく、3次元の空間として内容を考えていくのは新鮮です。営業を中心に、コピーライター、プランナー、グラフィックデザイナー、さらにはオンデマンドプリント事業部が連携して取り組みます。当社の強みを生かせる案件だと思います。
S.T
最初は提案のポイントを掴むまで時間がかかりましたが、2、3回目の挑戦で初受注して以来、選んでいただく機会が増えたと聞いています。当初の先方からの要望は企画展示室での提案。でも、当社は室内だけでなく、庭園でも世界観を表現する提案を行ったところ、高く評価いただけました。そのように実績を重ねる中で受注したのが『久米正雄と世界旅行』です。
O.A
私は今回初めて関わらせてもらいました。普段は、専門店の折込チラシなどを担当しているので、このような総合的な企画提案に関わること自体、新しい発見ばかりでした。
コロナ禍の中、
世界旅行気分を
味わってもらう企画に。

評価された点、苦労した点は?
S.T
プランナーが与件を整理して、それをもとにデザイナーがビジュアルに落とし込む進め方でした。今回は久米正雄という郡山市ゆかりの作家。芥川龍之介などとも親交があり、当時の文壇に大きな影響を与えたと言われる人物です。その時代にはめずらしく世界各地を旅行している先見の明のある人でした。
S.M
プランナーから“コロナ禍で移動制限が続く中だからこそ、来館者にも世界旅行を楽しんでいる感覚になってもらおう”という方向性が提示され、その考え方をもとに、メインビジュアルを作成しました。パスポートに押されるスタンプや地球儀のような球体をモチーフにしました。
O.A
私は展示室の展示内容について先輩といっしょに考えました。特に見た人が世界を旅している感覚になれるように、作品や言葉に関連したイラストを制作しました。当時としてはめずらしく久米は飛行船にも乗っているんです。そうした旅のモチーフを絵にして場内に配置することで、お客様にワクワクしてもらえるようにしました。レトロな雰囲気を高めるために活版印刷のようなテイストにして、パソコンの画面で見るよりも、実際壁面では大きくなるので、密度のある絵作りに努めましたね。
S.T
当時のテニスラケットはこうじゃないとか、細かなディテールにまでこだわってくれましたよね。きっとそうした一つひとつが来館者の想像力を膨らますことになったのだと思います。
部門を超えた連帯感が
お客様の満足度を高める。

それぞれが向き合ったものとは何ですか?
S.M
クライアントであり、来館者であり、いっしょに作り上げていく仲間たちでしょうか。特にこの案件ではプランナーのコンセプト設定が的確だったので、その期待に応えるプレッシャーを感じながら取り組みましたね。
O.A
来館者が展示を見ながら何を感じてくれるかを想像しながら制作しました。みんなで、ああしよう、こうしようとアイデアを出し合いながらひとつのものを作り上げていったのも楽しかったです。
S.T
レギュラーの案件は、ほぼやることが決まっていて、お客様の要望にひたすら応える仕事が多いのですが、この案件とは自分たちで考える要素が大きく、社内に営業やプランナー、デザイナーといった異なるスキルを持ったスタッフがいて、いっしょにアイデアを出し合いながら進められることがル・プロジェの大きな強みだと改めて感じました。しかも、オンデマンドプリント部門があり、大型の出力も社内で行えることは納期や収益的にもメリットが大きいです。こういったノウハウ、社内リソースを生かして、今後も新たな案件に挑戦していきたいと思います。