PROJECT STORY / 01

(株)サンベンディング東北様「ピリ辛おでん缶」パッケージデザイン

拠点間のつながりで、
それぞれの個性を
会社の強みに。

(株)サンベンディング東北は北海道、東北、北陸エリアで自動販売機を設置、運営する会社です。今回はプライベートブランド商品「ピリ辛おでん缶」のパッケージデザインを当社にて受注。キーマンとなった3人に話を聞きました。

Member

  • M.Tさん

    2004年入社
    仙台支社制作職(クリエイティブディレクター)

  • H.Tさん

    2004年入社
    郡山本社制作職(アートディレクター)

  • A.Sさん

    2016年入社
    仙台支社制作職(グラフィックデザイナー)

「ピリ辛おでん缶」の
パッケージデザインを提案。

どんな案件ですか?

M.T

サンベンディング東北様とは10年ほど前からお取引させていただいています。当初は自販機の資材などを制作することが多かったのですが、2年前にコーポレートWEBサイトのリニューアルを担当してから、いろんな案件でお声かけいただくようになりました。そうした中、プライベートブランドとして「おでん缶」を開発。その後発売することになった「ピリ辛おでん缶」のパッケージデザインについて相談を受けました。はじめは仙台支社内で進めようとしたのですが、多くのデザイナーの繁忙時期と重なっていました。そこで、郡山本社のH.Tさんに連絡したところ快諾してくれたのです。ありがたかったですね。

H.T

こちらこそ、新しい案件に関われてよかったです。ル・プロジェには150人近い制作スタッフがいて、特に郡山本社には多数在籍しています。私は現在企画部門にいますが、もともと制作部にいてデザイナーそれぞれのスキルや得意分野を把握していました。そこで、私から複数人に声かけして、グラフィック案を出してもらいました。

M.T

話してから1週間くらいで20案くらい集まったよね。

H.T

「やりますっ」って言ってくれそうな人に声をかけたけれど、期待以上に協力してくれました。デザイナーがたくさんいる強みが活かせたかもね。

M.T

「すごっ」って思った。助かりました。

圧倒的な量と
確かな品質で受注。

評価された点、苦労した点は?

M.T

今回の案件は、当社以外に2社が参加するコンペ。審査方法はクライアントの中での社員投票だと事前に聞いていました。何が採否のポイントになるか読みにくかったですね。そこで、判断をクライアントにゆだねることにして、作ってもらった案をすべて出し、提案ボリュームを持たせました。提案時にはデザイン案を切り貼りして円柱状にし、缶パッケージらしく見えるように工夫。完成形をイメージしやすくしました。

H.T

本当なら社内コンペで取捨選択して、選りすぐりの案を出せればよかったけれど、提案まで1週間ではさすがにそこまでは難しかったです。採否のポイントになったのは何だったの?

M.T

デザインの量と質だったと思うよ。まず1週間という限られた時間でいろんな方向性の案を20案近く出せたこと。その中で、これだっていう案も含められたことかな。

H.T

採用されたのは仙台支社の中で唯一参加してくれたA.Sさんの案だったよね。

A.S

私は大きなレギュラー案件を持っていないので、提案案件に比較的入りやすいんです。自分の案が採用だと聞いて「ほんとに!?信じられない!」という気持ちでした。今回の商品は通常のおでん味ではなく、“ピリ辛味”だったので、その風味をいかに表現するかを特に考えました。

M.T

“ピリ辛”とは言え、実際に食べてみると、結構辛いよね。

A.S

そうなんです。通常の風味のおでん缶がすでに販売されていたので、それとは差別化しながらも、あくまで“ピリ”なので控えめな感じ。でも、味わってみると確かな辛味もあって…。もう、何がいいのか分からなくなって、結局は「当たって砕けろ」の気持ちで、自分の感覚を信じて作りました。

M.T

クライアントに採用の理由を聞いたら、“辛さの表現がちょうどいい”ということでした。従来のパッケージのかわいさに辛味が程よく加わって評価されたみたいだよ。

H.T

まさに掴みどころが的を射ていたわけですね。

横断的なつながりで、
個性を生かし、
さらなる貢献へ。

それぞれが向き合ったものとは何ですか? 

A.S

私が向き合ったのは商品でしょうか。特に辛味です(笑)。パッケージを担当するのは初めてだったので学ぶことが多々ありましたし、自由に制作させていただき楽しかったです。商品の売れ行きなどについて今後も見守っていきます。

M.T

意外にも夏、冷たいまま食べる“冷やしおでん”としても売れているみたいだよ。クライアントからは、その後もいろんな相談をいただいていて、自分たちに近い目線で取り組んでくれると感じていただいています。これからもお客様と向き合い、社内との橋渡しをしていきます。

H.T

ル・プロジェには制作スタッフがたくさんいるけれど、実際はそれぞれが多くの案件を抱えていて、連携しにくい一面もある。でも、今回のように横のつながりを生かせれば、一人ひとりが自分の個性を発揮しながら、もっとお客様に貢献できると思います。デザインするのはグラフィックだけじゃない。いろんなことをかたちにできる自由が当社にはあるはず。そんな私たちならではの強みをこれからも探して生かしていきたいです。

M.T

今回は部署を超えた横断的なつながりのいい事例になったよね。「ピリ辛おでん缶」は、青森県を除く、東北5県と富山県の自販機で販売しているから、たくさんの人に実際に手に取って味わってみてほしいです。

A.S

はい。これからもいろんな案件で、多くの人と関わりながら、よりよい仕事をしていきたいと思います。